こんにちは、薬局薬剤師のふぁるくま(@farukumayaku)です。
このブログでは薬剤師の勉強に関する情報を発信しています。
今回は「糖尿病薬物療法履修薬剤師」という資格を紹介します。糖尿病領域の薬剤師の資格であり、糖尿病薬物療法に関する自己研鑽を積んだ薬剤師を認定するものです(上位資格に糖尿病薬物療法認定薬剤師があります)。
糖尿病薬物療法履修薬剤師とは何か
「糖尿病薬物療法履修薬剤師」は日本くすりと糖尿病学会が認定する資格です。この資格と上位資格である糖尿病薬物療法認定薬剤師は、糖尿病薬物療法のエキスパートを目指すものです。
日本くすりと糖尿病学会(https://jpds.or.jp/)より引用
- 糖尿病専門医以外の糖尿病治療だけでなく、併存疾患を持ち難渋する糖尿病患者の薬物治療に関しても積極的に処方介入できる専門性を持った薬剤師として活動すること。
- 「療養指導の実戦」「教育」「研究」を3本柱とし、薬物の特性や体内動態、相互作用を理解した上で専門医および専門外の医師ともディベートができ、処方提案・介入ができる病院薬剤師、薬局薬剤師を輩出し、糖尿病患者が安全で有効な薬物治療に貢献することを視野に入れて活動すること。
薬局薬剤師でも申請することができる資格ですので、糖尿病に興味がある方にはおすすめの資格です。今回はどのように申請すればよいか5ステップにまとめました。
Step1 要件を確認する
まず要件ですが、以下の通りです。
日本くすりと糖尿病学会(https://jpds.or.jp/)より引用
- 日本国の薬剤師免許を有していること。
- 薬剤師歴3年以上 、申請時において本学会正会員(既納済み)であること。
- 本学会が示す修得単位が、30単位以上あること。ただし、当学会が発行するP認定単位が15単位以上あること。
- 下記のいずれかの資格を取得している申請者は、第5条(3)は20単位とする。① 薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、② 日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、③ 日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、④ 日本医療薬学会認定薬剤師、同薬物療法認定薬剤師
- 本学会が開催する2種の基礎編技能研修を受講(過去5年以内)していること。
実施することは、学会員になり(会員になるのは申請時でもOK)、単位を取得すること、基礎編技能研修会に参加すること、これだけです。
Step2 2種の基礎編技能研修を受講する
日本くすりと糖尿病学会が主催する「技能研修会 基礎編(2種)」に参加する必要があります。
「2種」ですが、「症例検討」と「自己注射・SMBG」の2つに参加するという意味です。ただ、バラバラに開催されているわけではなく、両方をまとめて「技能研修会 基礎編」として開催されているので、2回参加するわけではありません。
「基礎編」ですが、日本くすりと糖尿病学会が主催する技能研修会には「基礎編」と「アドバンスト編」があります。技能研修会アドバンスト編は、認定薬剤師または履修薬剤師のスキルアップを目的として開催されますので、履修薬剤師の取得を目指す方は受講する必要はありません。
また、開催スケジュールは日本くすりと糖尿病学会のホームページに掲載されてますのでご確認ください。参考に2024年開催のスケジュールを記載します。
第1回 2月25日(日) アドバンスト編(Web開催)
日本くすりと糖尿病学会(https://jpds.or.jp/)より引用
第2回 6月(5月) 基礎編(熊本地方集合開催)
第3回 7月 基礎編(Web開催)
第4回 9月1日(日) 基礎編(東京集合開催)
第5回 10月(11月) アドバンスト編(Web開催)
第6回 12月 基礎編(名古屋地方集合開催)
ご覧の通り、開催回数が少なく(年4回)、Web開催が1回しかありませんので、あらかじめ受講する研修会を決めておきましょう。なお、人気なので早めに申し込みましょう。
私の場合、申し込み開始から約2週間で定員に達し、参加が叶わず、次回の開催を受講することになった経験があります。
Step3 単位を集める
要件に「本学会が示す修得単位が、30単位以上あること。ただし、当学会が発行するP認定単位が15単位以上あること。」があります。
「P認定単位」ですが、シンプルに「日本くすりと糖尿病学会が認定する単位」とお考え下さい。要するに、日本くすりと糖尿病学会が主催する学術集会や研修会で発行される単位が「P認定単位」ということです。
認定された研修会は日本くすりと糖尿病学会のホームページに掲載されてますので、ご確認ください(https://jpds.or.jp/p-certified-workshop/)。
私の場合、以下の学会・勉強会に参加し、P認定単位を取得しましたのでご参考にしてください。
- 日本くすりと糖尿病学会学術集会(2日間で8単位)
- 技能研修会(基礎編)(2.5単位)
- 愛知県糖尿病薬物療法研究会(1単位)
- 東京臨床糖尿病医会(2単位)
- 教育研修委員会主催研修会(1単位×2回参加)
こう見ると、まず学術集会と技能研修会に参加して10.5単位。
他の勉強会を4~5回参加すれば15単位になりますね。
また、修得単位の取り扱い(30単位の方)は学会ホームページに記載されており、糖尿病に関する学会・学術大会への参加・発表に対して点数が付与される仕組みです。リンク先に「認定薬剤師制度の申請・更新に必要な所定単位一覧表」というpdfファイルがありますので、そちらからご確認ください(こちら)。
論文の執筆でも取得可能ですが、ハードルが高いので、私は以下の学会に参加し、単位を取得しましたので参考にしてください。
- 日本糖尿病学会学術集会(12単位)
- 日本糖尿病療養指導学術集会(6単位)
Step4 会員になる
要件に「薬剤師歴3年以上 、申請時において本学会正会員(既納済み)であること。」があります。
入会は学会のホームページから申し込むことが可能です(こちら)。
Step5 申請する
申請・審査スケジュールは以下の通りです(2024年1月時点)。学会のホームページにて確認できます(こちら)。
申請期間 | 6月1日~7月1日までの1ヶ月間 |
提出期限 | 7月1日消印まで有効 |
申請審査期間 | 学術集会前日に審査 |
申請内容の結果通知 | 12月上旬 |
認定試験日 | ー |
申請書類の中で「新規申請のための単位申請書」というものがありますが、これの書き方が申請書を見るだけだと分かりにくいです。2023年6月に「単位申請の記載例」が作成されましたので、必ずご確認ください(こちら)。
私の場合、この記載例の存在に気が付くまで、書き方が分からず苦慮しました。。。
まとめ
いかがだったでしょうか。手順自体はそこまで煩雑ではありませんが、技能研修会への参加、P認定単位の取得は思ったより時間がかかるかもしれませんので、計画的に準備いただくことをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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