12_認定資格医療薬学

腎臓病療養指導士になるための4ステップ【薬局薬剤師向け】

こんにちは、薬局薬剤師のふぁるくま(@farukumayaku)です。

このブログでは薬剤師の勉強に関する情報を発信しています。

ふぁるくま
ふぁるくま

今回は「腎臓病療養指導士」について自身の経験をもとにまとめました。そうやって申請するの?という疑問に答えていきます。腎臓病療養指導士を目指す方の参考になれば嬉しいです。

「腎臓病療養指導士」は日本腎臓病協会が認定する資格です。対象資格を看護職(看護師・保健師)、管理栄養士、薬剤師と幅広い職域を対象としており、職種横断的な活躍が期待されています

日本腎臓病協会では、日本腎臓学会、日本腎不全看護学会、日本栄養士会、及び日本腎臓病薬物療法学会と共同で、標準的なCKDの保存療法を現場に浸透させることを目的に腎臓病療養指導士制度を立ち上げました。

「腎臓病療養指導士」は、職種横断的な、CKD療養指導に関する基本知識を有した方を育てるための資格で、対象は看護師・保健師、管理栄養士、薬剤師の方々です。

日本腎臓病協会(https://j-ka.or.jp/educator/)より引用

薬局薬剤師でも申請することができる資格ですので、腎臓病や療養指導に興味がある方にはおすすめの資格です。今回はどのように申請すればよいか4ステップにまとめました

※7分で読めますので、最後までご覧ください。

Step1 応募要件を確認する

まず対象ですが、「看護師・保健師,管理栄養士,薬剤師の資格を有し,応募時に資格取得後3 年以上経過している者」とされています。つまり一定の実務経験が必要です。

これに加えて、日本腎臓病協会が公表している応募要件は以下の3つです。

  1. 療養指導の実務経験(e-learningで代替可能)
  2. 研修(e-learningで代替可能)
  3. 講習会の受講

「1. 療養指導の実務経験」は、過去10年以内に通算2年以上、かつ通算1000時間以上、保存期腎臓病患者の療養指導業務に従事していること、とされています。

「2. 研修」は、指定の施設基準を満たす自施設または他施設(他施設の場合は日本腎臓学会研修施設に限る)で、10症例以上かつ各職種ごとに2症例以上行うこと、とされています。

ここだけ記載すると、所属施設では難しいように感じるかもしれません。ただ、この「1. 療養指導の実務経験」と「2. 研修」はe-learningを受講することで要件を満たすことが可能です。詳細は「Step3 実務経験の証明/研修受講」をご参照ください。

Step2 講習会を受講する

腎臓病療養指導士を申請するためには指定の講習を受講する必要があります。

腎臓病療養指導士に関する合同委員会主催の「腎臓病療養指導士認定のための講習会」(認定のための講習会)を受講し、その受講証を提出すること。講習会受講は5年間有効とする

日本腎臓病協会(https://j-ka.or.jp/educator/)より引用

講習会の情報は日本腎臓病協会のホームページに掲載されています(リンク先)。2020年~2021年は新型コロナウイルスの影響により、6月上旬にオンデマンド配信されておりました(2019年以前は年2回程度の開催かつ対面)。申し込みは開催日の1~2ヶ月前頃と予想されますので、認定を目指す方は情報を確認するようにしましょう。直近の開催時期は以下の通りです。

  • 第10回腎臓病療養指導士認定のためのオンデマンド講習会(配信期間2021年5月31日~2021年6月14日)
  • 2020年度腎臓病療養指導士認定のためのオンデマンド講習会(配信期間2020年6月1日~2020年6月15日)

なお、「2020年度腎臓病療養指導士認定のためのオンデマンド講習会」は第9回および第8回の講習会が中止となり、その代替としてオンデマンド講習会となったもののようです。

Step3 実務経験の証明/研修受講

冒頭に記載しましたが、療養指導の実務経験と研修が要件となっております。ただし、日本腎臓病協会は、他施設での研修を行なうことが困難な方のために、腎臓病療養指導士認定試験用に代替ビデオ研修(症例研修e-learning)を準備しております。非常にありがたいですね。今回は、いずれもe-learningで受講される場合の手順を記載します

名称が混同しやすいですが、実務経験を代替するe-learningが「実務経験代替研修」という呼称で、研修を代替するe-learningが「認定試験用代替研修」という呼称で使い分けれられています。

ふぁるくま
ふぁるくま

この違いが分からず(理解不足)、具体的に何をどの程度やればよいのかを把握するのに時間がかかりました。。。

Step3-1 実務経験の証明

日本腎臓病協会のホームページには実務経験代替研修について以下のように記載されています。

「症例研修e-learning」で1症例4種の動画を視聴し、レポート(書式あり)を提出し、合格することが必要です。認定試験用代替研修を利用する場合には、これと同一症例での提出は認められません。

日本腎臓病協会の実務経験証明(https://j-ka.or.jp/educator/proof.php)より引用

この「1症例4種の動画」ですが、1症例について医師・看護師・管理栄養士・薬剤師の4職種と患者さんの会話を撮影したもの(つまり計4種の動画)、という意味です。4種の動画を視聴し、4つのレポートを作成します

また受講には申し込みが必要です。専用フォームより名前・所有資格・連絡先・視聴する症例のケース番号などを入力します。登録したメールアドレスに申し込み後確認メールが到着し、その指示に従って受講します。実務経験代替研修受講の流れの詳細はホームページをご参照ください(リンク先)。

Step3-2 研修

日本腎臓病協会のホームページにはには認定試験用代替研修について以下のように記載されています。

認定試験用代替研修には、「症例研修e-learning」の3症例(1症例は医師、看護師、管理栄養士、薬剤師の4職種全ての同一受診時の療養指導を示した4種の動画)の12種の動画を視聴し、視聴した3症例の視聴症例リスト(書式あり)を作成する。さらに、視聴した3症例のうち2症例について4職種それぞれのレポート(書式あり)(2症例×4職種=合計8レポート)を提出し、合格することが必要です。

日本腎臓病協会の認定試験研修について(https://j-ka.or.jp/educator/nintei-traning.php)より引用

この「3症例の視聴症例リスト(書式あり)」ですが、各症例の概要と各職種の指導内容を簡易的にまとめたものを作成する、という意味です。

この「2症例×4職種=合計8レポート」ですが、これは実務経験代替研修と同様に、症例について医師・看護師・管理栄養士・薬剤師の4職種と患者さんの会話を撮影したもの(つまり計4種の動画)を視聴し4つのレポートを作成します。それを2症例分作成する、という意味です。

こちらも受講には申し込みが必要です。専用フォームより名前・所有資格・連絡先・視聴する症例のケース番号などを入力します。登録したメールアドレスに申し込み後確認メールが到着し、その指示に従って受講します。実務経験代替研修受講の流れの詳細はホームページをご参照ください(リンク先)。

※「実務経験代替研修」と「認定試験用代替研修」では同一の症例を選べませんので、専用フォームで申し込む場合にご注意ください。

Step4 認定試験の受験

腎臓病療養指導士の認定を受けるためには認定試験を受験する必要があります。前述のレポートと試験の結果による総合判断となるようです。申し込み方法と試験の概要を記載します。

Step4-1 申し込み方法

日本腎臓病協会のホームページの新着情報に試験のお知らせが掲載されます(リンク先)。申し込み時期は年によって多少のずれはありますが、6~7月頃です。認定を目指す方は情報を確認するようにしましょう。第5回腎臓病療養指導士認定試験の受験申込は以下の通りでした。

  • 受験申込期間:2021年6月16日~7月20日
  • 方法:ウェブ画面で申し込み

申し込むと、記載した連絡先に8月初旬~中旬に受験申請書等の必要書類が送付されます。到着した書類に従い、必要な書類をまとめ、日本腎臓病協会に送付します。第5回腎臓病療養指導士認定試験の受験申請書類の受付期間(提出期間)は以下の通りでした。期日までに資料を提出しましょう。

  • 提出期間:2021年8月20日~10月1日

Step4-2 試験の概要

認定試験の概要は以下の通りです(参考に第5回腎臓病療養指導士認定試験について記載します)。試験時間は150分とかなりボリュームのある試験です。

まとめ

いかがだったでしょうか。手順自体はそこまで煩雑ではありませんが、e-learning研修の受講およびレポートの提出には時間がかかるかもしれません。ただ、準備の過程で学ぶことが自身の成長につながり、患者貢献につながると思います。

最後に日本腎臓病協会が示す腎臓病療養指導士の役割を記載します。当然ですが、資格は資格です。学んだ知識を患者さんにアウトプットしなければ認定を受けた意味がないと思います。薬局薬剤師だからこそできる領域はあると思いますので、患者貢献につなげていただければと思います。

1. CKDの意義、CKDに関する基本的な知識と対策、およびCKDの予防について 理解・習熟している

2. ステージに応じた保存期CKD患者への基本的管理方法を理解し、個別のCKD患者に対してステージに応じた包括的かつ基本的な療養指導(生活指導,栄養指導,薬物指導)を行うことができる

3. CKDに関して腎臓専門医や他の医療従事者と円滑な連携がとれ、チーム医療に参加することができる

4. 腎代替療法についての基本的知識を有し、3つの療法選択(血液透析,腹膜透析,腎移植)に関する説明を行うことができる

5. AKIの基本的知識を持ち、その予防策について指導することができる

6. 自らの指導技術を高める活動を継続する

7. 後進の指導を行い、腎臓病療養指導士の育成に努める

8. CKDの啓発活動に努める

9. 地域の行政機構、医師会などと連携してCKD 対策を推進する

10. 腎臓病療養指導活動の普及に努める

11. CKDの臨床研究への参加に努める

日本腎臓病協会(https://j-ka.or.jp/educator/)より引用
こくま
こくま

ふぁるくまさん、まだ受かってないよね??

ふぁるくま
ふぁるくま

仰る通り。。。まだ勉強している最中ですので、一緒に目指していければなと思ってます。自身が申請する時に困ったことをまとめたつもりですので、少しでも参考になれば幸いです。2022年4月認定されました。

腎臓病療養指導士の認定に向けた準備に本記事が参考になれば嬉しく思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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