こんにちは、薬局薬剤師のふぁるくま(@farukumayaku)です。
このブログでは薬剤師の勉強に関する情報を発信しています。
初めて新人薬剤師の教育係を任命されました。コーチングは聞いたことあるけど、ティーチングとの違いは分かりません・・・
本記事では【後輩指導】をテーマに、後輩指導のノウハウをご紹介します。
わたしは管理薬剤師として数多くの新入社員とその教育係(指導役)を見てきました。初めて教育係を担当する場合、「後輩を育成する時にはコーチングが良いんでしょ?」と中途半端に捉えている方が多いように感じます。
まず、本記事では「コーチングとティーチングの違いは?」と題して“コーチングとティーチングの違い”をご紹介いたします。
以下のような方を対象に作成しております。
- 新人薬剤師の教育係を初めて任命された。
- なんとなく「コーチングが良いんでしょう」と思っている方。
※4分で読めますので、最後までご覧ください。
コーチングとは?
コーチングってなんとなく、スポーツ選手の名トレーナーが使いこなしているイメージ。
そうだね、その考えは正しいと思うよ。加えて、ビジネススキルとしても活用されているんだ。
コーチングの由来は?
「coach」は「馬車」を意味します。スポーツ選手の指導者をコーチと呼ぶようになったのは、人を目的地に運ぶ道具という点から来ていると言われています。
その人をその人が望む場所まで送り届ける。指導というよりは導くという表現がイメージに近いのではないでしょうか。
なぜコーチングが必要なのか?
「教え込む」ティーチングだけでは行動を促すことは難しいから。つまり、業務をマニュアル化し、指示・命令によるコミュニケーションだけでは「考え、自ら判断する」能力が養えないからだと言われています。
後輩指導(薬局)にコーチングが役立つシーン
後でティーチングとの違いを説明しますが、個人的には「自発的な行動を促したい」シーンで役に立つと思います。具体的には以下のようなイメージです。
- もっと勉強してほしい。
- もっと接遇よく応対してほしい。
- 数値目標を達成するために具体的な行動を考え、取り組んでほしい。
- もっと業務効率化できる手法がないか考えてほしい(薬歴記載や調剤の作業スピード、動線の改善、シフト調整など)。
何となく答えを知っている。でも行動できていない。それを引き出すイメージなのかな。
このような事項に対して、「どう考えている?」「どうしたら良いと思う?」と問いかけ、答えに導くアプローチ手法がコーチングです。
ティーチングとの違いは?
よくティーチングと比較されます。優劣はなく、それぞれの特性を活かして使い分けるのが大切です。
ティーチングは教える側が答えを持っており、「教え込む」イメージです。一方でコーチングは、答えを教えてもらう側が持っており、その答えを「引き出す」イメージです。
答えをどちらが持っているか、という区分けなのかな。確かに「●●しないとダメだよ」と言われるよりは、「●●しようかな」と自分で決めたほうが長続きするよね。
それが「自発的な行動を促したい」ということだよ。
コーチングを使ってはいけない時
コーチングは万能ではありません。コーチングを使わない方が良い、と言われるシーンがあります。
例えば、目の前で調剤機器の使い方が分からず困っている新人がいた場合、「どうしたらいいと思う?」と問いかけることに意味はあるでしょうか。単なる時間の浪費だと思います。
また、処方監査でアドバイスを求められ、そのまま交付するとリスクの高い処方があった場合に「どうしたらいいと思う?」と問いかけるとどうなるでしょうか。誤った選択をした場合には健康被害に直結する可能性があり、コーチングを用いるのは不適切だと思います。
コーチングが役立つのは「重要かつ緊急性が低い事項」と言われています。時間管理の手法として重要度と緊急度で仕分ける方法があります。この中の「緊急度が低く、重要度が高い項目」に該当する事項で役立ちます。
おそらく、勉強することや接遇力を磨き上げることなどは、「緊急度が低く、重要度が高い項目」に該当するのではないでしょうか。また薬局薬剤師は医療を生業としておりますので、「ミスしたとしても命に直結しない事項であること」という前提条件がコーチングを用いるかどうかを判断する際に必要だと思います。
まとめ
最後に補足です。
繰り返しになりますが、コーチングとティーチングに優劣は無く、使い分けが大切です。個人的な感覚ですが、習熟度がある程度高まった段階でコーチング技法をうまく活用し、自発的な行動を促すことができれば大きく成長する印象です。
後輩の成長に本記事が参考になれば嬉しく思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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