こんにちは、薬局薬剤師のふぁるくま(@farukumayaku)です。
このブログでは薬剤師の勉強に関する情報を発信しています。
今回は「腎臓病療養指導士認定試験」について自身の経験をもとにまとめました。過去問ってあるの?という疑問に答えていきます。腎臓病療養指導士を目指す方の参考になれば嬉しいです。
本記事では「腎臓病療養指導士認定試験」をテーマに、テスト範囲や過去問についてまとめております。本記事は、以下のような方を対象に作成しました。
- 腎臓病療養指導士に興味がある方
- 腎臓病療養指導士の認定試験を受験される方
「そもそも腎臓病療養指導士って、どのように申請するの?」という方は、以下の記事をご覧ください。
※8分で読めますので、最後までご覧ください。
1.過去問はある?
結論から申し上げると、ありません。
web上に掲載された情報(日本腎臓病協会、関連団体、受験された方のブログなど)を調べましたが、本記事を執筆した時点(2022年3月)では過去問に関する情報を見つけることはできませんでした。
設立されて間もないこと(2017年初認定)、試験問題が回収されることなどが要因だと感じます。余談ですが、同じ”療養指導士”を冠する「日本糖尿病療養指導士」であれば、予想問題集(試験対策問題集)が販売されています。下に示しているのは【応用編】ですが、【基礎編】も販売されています。
2.出題範囲は?
結論から申し上げると、ありません。
試験を受けた感想ですが、以下の3点から出題されているように思います。
- ガイドライン(エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018)
- 腎臓病療養指導士のためのCKD指導ガイドブック
- 腎臓病療養指導士講習会(日本腎臓病協会主催)
特にガイドラインは日常臨床の判断に使用されますので、網羅的に把握しておくことをおすすめします。自身の経験談ですが、薬局薬剤師は腎代替療法(透析※・腎移植)に触れる機会が少ないと思いますので、しっかり学んでおくと良いと思います。
※透析されている患者さんに触れる機会はあっても、導入時の判断(腹膜透析と血液透析の違い、どの時期に説明されるべきか、その際の注意点は)に触れる機会は少ないという意味です。
3.出題形式は?
3-1.試験の概要
自身が受けた時の試験概要は以下の通りでした。
- 試験時間:150分
- 問題数:120問
- 出題形式:選択式(マークシート)
問題は5つの選択肢から正しいもの、または誤っているものを1つ(または2つ)選ぶ形式です。後半の20~30問は症例問題でした。症例を読み解くのに時間がかかるので、それを想定した時間配分が大切です。
3-2.例題
記載した通り、5つの選択肢から正しい記述を1つ(または2つ)選ぶような問題です。例題を記載しますので参考にしてください(実際に試験に出題されたわけではなく、類似した問題と捉えていただければと思います)。
【例題-1】腎代替療法に関する情報提供の開始時期として、推奨されているCKDステージを1つ選びなさい。
- CKDステージG2.
- CKDステージG3a.
- CKDステージG3b.
- CKDステージG4.
- CKDステージG5.
【例題-2】以下の食品のうち、最も食塩量が多いものを1つ選びなさい。
- しょうゆ 6g(こさじ1)
- 梅干し 10g
- たくわん 20g
- 甘塩鮭 80g(一切れ)
- ハム 15g(1枚)
4.試験対策は?
4-1.「2.出題範囲」に記載した資料で学習する
おすすめする試験対策は、「2.出題範囲」に記載した資料で学習することです。どれを重点的に学ぶべきかは個々の知識量で左右されますが、個人的には腎臓病療養指導士のためのCKD指導ガイドブックで学習することをおすすめします。
この資料はCKD診療ガイドラインに準拠して作成されており、療養生活支援に必要な教育プロセス・患者心理の変化・ライフステージ別の支援などが記載されているからです。特にこだわりが無い場合はこの本で勉強されることをおすすめします。
4-2.日本糖尿病療養指導士の過去問で学習する
前述の日本糖尿病療養指導士認定試験の予想問題集(試験対策問題集)で勉強することもおすすめします。ただし、こちらは余裕があればという位置づけです。
ん?腎臓病療養指導士の試験の話なのに、なんで日本糖尿病療養指導士の話が出てくるんだ?!
セルフマネジメントを促すためにコーチング技法が活用されるのだけど、それに関する問題が参考になるんだ。同じ療養指導士なので通ずるところがあると思うよ。
例えば、コーチングの3つの要素は?GROWモデルって何?自己効力感を高めるための具体的な支援は?のようなテーマを学習するのに役立ちます。各項目の概要は前述の「腎臓病療養指導士のためのCKD指導ガイドブック」で学ぶことができます。ただ、この領域はどのように出題されるかイメージが湧きにくいと思います。そのため、日本糖尿病療養指導士認定試験の予想問題集を解くことが参考になると思います。
私の場合、地域糖尿病療養指導士の試験対策として取り組んだ経験が役に立ちました。
まとめ
最後に難易度に関する個人的な感想です。
治療薬に関する範囲はそこまで難しくないです。治療薬の基本知識を身に着けて、CKD診療ガイドラインに準拠した薬学的介入を日々実践していれば大丈夫だと思います。
ただ、各食材に含まれている栄養成分を把握したり、コーチング技法、セルフマネジメントの手法について学んだ経験が無い方は難しく感じるかもしれません。当たり前ですが、ご自身が学んだことが無い領域を重点的に学ぶことで有効だと思います。
腎臓病療養指導士の認定試験の対策に本記事が参考になれば嬉しく思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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